結論:最初から全部をAI用に作り直す必要はない
一般的な社内AI・RAGでは、PDF、Word、Excel、PowerPoint、テキスト、Webページなど、普段使っている資料を読み込める仕組みがあります。まず既存資料を使って試し、うまく読めない資料だけ個別に調整する方が現実的です。
導入前に何百ファイルも手作業で整形するのではなく、「まず入れる → 実際の質問で試す → 問題がある資料だけ直す」の順番が効率的です。
そのまま使いやすい資料
- 文字として保存されたPDF
- 見出しと本文が整理されたWord
- 項目名が明確なExcel
- テキスト中心のPowerPoint
- Markdown・テキスト・HTML
たとえば就業規則、申請手順、商品マニュアル、社内ルールなど、本文が文字データとして入っている資料は比較的扱いやすい傾向があります。
調整が必要になりやすい資料
1. 紙をスキャンしただけのPDF
画像として保存されたスキャンPDFは、そのままでは文字情報を取り出せないことがあります。OCRで文字を読み取れますが、画質が低い、傾いている、手書きが多いと誤認識が起こることがあります。
2. 複雑なExcel
セル結合が多い表、複数シートをまたいで意味が成立する表、数式結果だけを見ないと理解できない資料は、文章中心の資料より調整が必要になる場合があります。
3. 図だけで説明している資料
フローチャート、写真、図面、スクリーンショットなど、意味が画像に依存している資料は、画像理解やOCRが必要になります。テキスト中心の資料と同じ精度を前提にしない方が安全です。
4. 古い版と最新版が混在している資料
ファイル形式より重要なのが、情報の鮮度です。「就業規則_旧」「就業規則_最新版」「就業規則_修正版2」のように複数版が残っていると、AIが古い内容を参照する原因になります。
AI向けに資料を準備するときの優先順位
- 最新版を決める:まず何が正しい資料かを確認する
- よく聞かれるテーマから入れる:全社資料を一度に入れない
- 代表的な質問で試す:実際の社員の言葉で質問する
- 問題がある資料だけ直す:OCR・表・文書構造などを個別に確認する
「AIが読める形」を社員が勉強する必要はない
セルフサービス型のRAGでは、どの形式が読みやすいか、どう分割されるか、OCRが必要かといった判断を管理者自身が行うことがあります。公開レビューでも、ソースファイルの形式やAIが認識しやすい形をサポートしてほしいという要望が出ています。
専任IT担当者がいない会社で、この知識まで社内に持つ必要があるのかは別問題です。会社側で必要なのは「この資料が正しい」「これは社員に使わせたい」という業務判断です。
Nexfila AIは、既存資料から始める
Nexfila AIは、PDF・Excel・Wordなど今ある社内資料をもとに、社内文書AIを構築・管理する先行導入サービスです。
最初からAI向けのフォルダ設計やデータ形式へ作り直すことを前提にしません。まず既存資料を受け取り、取り込み・解析・検索設定を行い、実際の質問で確認します。必要な資料だけ調整する方針です。
ただし、大量の紙資料のOCR修正、データ入力、複雑なExcelの再設計、内容そのものの整理・統合作業などは、標準料金で無制限に行う想定ではありません。
やることは、AIに使わせてよい現行資料を選んでアップロードするだけ。AI用の整形・フォルダ設計・RAG設定を覚える必要はありません。
最初に用意するなら、この3種類で十分
PoCや小規模導入であれば、最初から社内の全資料を集める必要はありません。たとえば次のような資料から始められます。
- 社員からよく質問される規程・ルール
- 新人が頻繁に確認する手順書・マニュアル
- 担当者しか分からない業務知識をまとめた資料
この範囲で「本当に資料を探す時間や質問対応が減るか」を確認してから対象を広げる方が、導入失敗を避けやすくなります。